HEALTH
最近の話題 - 2010年9月号 -
■ 多剤耐性菌
新聞やテレビで「多剤耐性アシネトバクター」という文字が躍っているのを見かけた方は多いと思います。
ここ10年前から世界中でこの「多剤耐性アシネトバクター」の急増が見られていました。
またここにきて「スーパー耐性菌」という見出しも・・・
「スーパー耐性菌」は腸管の常在菌(動物の糞便や人の皮膚からも分離される菌)から検出されました。「多剤性アシネトバクター」も「常在菌」です。
何故、普通に存在する菌が悪さをするようになるのでしょう?
それは、これらの細菌が治療薬の効果から逃れるための方法を獲得(薬剤耐性)し、またいくつかの細菌は複数の抗菌薬に対して耐性となる機序(多剤耐性菌)を持つため治療が困難になるという問題が起きるのです。
多剤耐性菌は出現し続けるため治療薬が限られたり皆無となることがあります。
■ 日和見感染
病原微生物は、宿主体内に侵入すればかならず感染が成立し発病に至るものもありますが、多くの場合、感染は成立しても発病にはさらに要件が必要です。
感染しても発病しない状態を不顕性感染といい、不顕性感染しか起こさない微生物があれば、それはもう病原体とは言えません。
さらに「環境菌」や「常在菌」も宿主に害を与えなければ病原体とは言いません。
ところが、こういう微生物でも宿主が正常の抵抗力(免疫力はこの抵抗性の有力な担い手です)を失った場合には、
体内で増殖し病気を起こすことができるものもあります。
このようなものを日和見感染の病原体と呼びます。
日和見感染は治療についても問題が大きいのです。
その理由はもともと体の抵抗力が落ちているわけですから、それに対する対策が必要で、それは容易ではないですし、その上、日和見病原体は複数の種類が同時に感染することがありますし、抗生物質が効かないもの、効きにくいものが多いためです。













